もやしは10世紀(平安時代)に書かれた日本最初の薬草の本「本草和名」に“毛也之”という
名前で登場します。また、日本だけでなく、中国や朝鮮、東南アジアでも身体を
つくるすぐれた食べ物として古くから珍重されてきました。特に、工場生産される現代に至っては、季節を問わずいつでも作れ、味も良く栄養価も高いこと、さらに、農薬や肥料をほとんど使わない清浄野菜であることなどから、新たな脚光を浴びています。
例えばもやしを栄養価から見ると、ビタミンCやカルシウムの含有量が多いという特徴があります。栄養価は高いが消化が悪いといわれる豆を、発芽させておいしく食するというのはすぐれた発想で、さらに豆の状態では含まれていなかったビタミンCが生成され、アミノ酸の含有量も増すという、一挙両得の食品といえます。
もやしのもう一つの特徴は、食物繊維が多いことです。これが便秘の症状を改善し、悪玉のガン物質を一掃するのです。
食物繊維が少ないと便通が悪くなり、腸の中でガスが溜まり、カスが異常発酵して発ガン物質を含む有害物をたくさん作ってしまいます。繊維はスポンジたわしのように腸壁の有害物をこすりとり、腸内細菌の善玉菌を増やし、ガンを作る物質を減らすのです。
また、もやしは植物性たんぱく質食品で、脂肪の代謝を促すビタミンB2も含まれているので、肥満防止やダイエットにうってつけ。このように身体をつくるだけでなく、ガンや成人病の元となる肥満からも身体を守る素晴らしいパワーを秘めているのです。
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